仁保耳鼻科

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小児副鼻腔炎患者のCT撮影

2015.02.09

2月に名古屋市から6歳の子供の副鼻腔炎患者が上顎洞洗浄を希望して来院した。名古屋市のふたつの耳鼻科で4カ月の間をおいてCT撮影が行われていた。新薬も投与されていたが副鼻腔炎は悪化していたための来院だった。乳幼児の場合CT撮影は脳に悪影響を及ぼすことが報告されているので撮影は慎重でなければならない。CTを備えることは名古屋の土地柄なのか。備えると撮影しなければならないので撮影したのか。実際は撮影も新薬の投与も悪化を食い止めることはできなかった。治療の効果は鼻内の所見、症状の変化から知ることができるので4カ月という短い間隔での撮影は如何なものか。
 上顎洞には多量の黄色膿汁が貯留していた。細菌検査で細菌が検出されなかったことは薬剤投与の結果だろう。排膿後今の耳鼻科感染症に有効な薬剤を投与したところ2回目の洗浄で著効が確認された。アレルギー性鼻炎を併発していたのでその治療も行った。その後見違える程症状は軽快した。
 一般にCTやMRIの撮影が安易に行われている。その多くの場合果たして必要なものだったといえるだろうかを日頃疑問に思っていたが今回小児に2回短い間に撮影が行われていた症例を診たので記した。