耳(中耳炎・耳痛)
外耳
湿疹と耳痛

綿棒、耳かきなどを日常習慣的に使用していると湿疹ができ、
強い耳痛が起こる事があります。
そこから細菌、真菌が検出されることも少なくありません。
消毒のため20分間ベットに横になっていただいた後、抗菌、抗真菌薬注入などの治療をします。
疼痛、かゆみは、一回の治療でほとんどなくなります。
中耳
急性中耳炎・難治性中耳炎・反復性中耳炎
治療は初期の薬物だけで治るものを除いて、必ず切開排膿を行います。 その上で抗菌薬を投与すると、7日以内に治癒します。 切開しない場合長引き、その間にぶり返す中耳炎のため痛みを繰り返し訴えることがあります。 反復性中耳炎のひとつのタイプです。
炎症がぶり返す中耳炎の他に、 反復性中耳炎には新たな中耳炎に繰り返して罹る場合があります。
この場合中耳炎は幼児~小児の時に発生し、2~3年の間繰り返します。 中耳炎が治らない間に次の中耳炎に罹ると重症になるので、 その度にきちんと治すことが必要です。
しかし何度鼓膜切開を繰り返しても1回1回治すと、鼓膜には全く痕跡が残りません。
一方原因となる鼻炎、副鼻腔炎の治療はしっかりしなければなりません。 アテノイドは必ずしも原因になりませんので、鼻炎、 副鼻腔炎の治療をしっかり行うと切除しないで済みます。
滲出性中耳炎
症例
G.Y.(5歳)1998年3月5日 初めて来院

2歳の時から両中耳炎を繰り返した。
2歳半の時滲出性中耳炎といわれたが、鼓膜切開は4歳の時1回受けただけだった。
2ヶ月前難聴のため、A大学を受診したところ、両慢性中耳炎と言われ、
鼓膜チューブ挿入とアデノイド手術をすすめられた。
当院で、鼓膜切開と上顎洞洗浄、細菌検査に基づく抗菌薬投与、
その後の耳菅通気などを行ったところ、正常に回復した。
毎年受診し経過を観察しているが、中耳炎、副鼻腔炎の再発はない。
慢性化膿性中耳炎・真菌性中耳炎
耳漏の細菌検査によって有効な抗菌薬がわかると、それに基いて30~60分の消毒と抗菌薬、抗真菌薬注入療法を行います。さらに必要に応じて手術療法も行います